太陽光発電と並んで、家庭のエコ設備として人気が高い「エコキュート」と「エネファーム」。どちらもエネルギーを効率よく使って湯をわかす機器です。
従来の給湯器は、湯をわかすために多くのエネルギーを消費します。そのエネルギー量は、家庭で使うエネルギー全体の約1/3を占めるというデータもあるほどです。エコ給湯器なら、エネルギーを効率よく使って湯をわかすので省エネに役立つという訳ですね。
では、「エコキュート」と「エネファーム」には、それぞれどんな違いがあるのでしょうか。
エコキュート
太陽で暖まった空気の熱を電気の力でくみあげて、湯をわかすシステムが「エコキュート」です。従来の給湯器のようにエネルギーを燃焼させる必要がないため、CO2やフロンガスを排出する心配はゼロ。気になる電気量も、従来の給湯器で使う量より約1/3以下に節電できるといわれています。しかも料金の安い深夜電力を利用して、寝ている間に湯をわかして貯水タンクにためておくこともできるため電気代の節約にもなります。
エネファーム
エコキュートが電気だけを使って湯をわかすのに対し、エネファームはガスの力で自家発電を行い、発電の際に出る廃熱で同時に湯をわかします。
エネファームによる発電量は、一般家庭が1年で使う電力の約6割にも上り、その廃熱で約8割の湯をわかすことができます。実は、私たちが日常的に使っている電気は発電所から家庭に送電する時に60%以上が無駄になってしまうのですが、エネファームによる自家発電なら送電時のロスもなく、できあがった電気をそのまま家庭内で使用できます。
選ぶ基準は「オール電化」かどうか
エコキュートとエネファームのどちらを選ぶか判断する基準は、「オール電化かどうか」が一番の決め手になります。オール電化にする予定であれば、電気のみで作動する「エコキュート」を選びます。
オール電化住宅ではない場合は、ランニングコストを試算することをおすすめします。設備の初期費用はエコキュートで約100万円、エネファームで約350万円ですが、毎日使う電気や湯の量によって、ランニングコストは変化するからです。家族のライフスタイルを思い描きながら、それぞれに合った機器を選択しましょう。
お湯の使い方を家族で見直そう
私たちがいつも何気なく使っている湯も、ちょっとした工夫でエコになります。
例えば浴槽の湯は、水からわかすよりも給湯器の湯をためる方がエネルギーの節約に。また、何度も湯をわかし直すことがないように家族が続けて入浴するよう心がけましょう。湯船から上がる時はフタをして温度を逃がさないようにすることも大切です。
もしも湯が「熱いな」と感じたら、給湯器の設定温度を下げてみましょう。設定温度を1度下げるだけでも、その分、加熱に必要なエネルギーを節約できます。
また、湯を使わない時は給湯器のスイッチを消すようにしてください。スイッチをつけっぱなしにしていると、湯を使っていなくてもガスを使用していることになります。こまめにスイッチを切るのが難しい場合は、外出時や就寝時だけでもスイッチを切る習慣をつけましょう。